ドライフラワー教室・制作「モグズラ」みよし市

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2026/02/11

「静」と「動」を操る。デザインの基本を学ぶ標本アレンジメント 難しい、けれど心地よい。

2月のマスタークラスは、 おそらく最も「頭を使う」レッスンかもしれません。

テーマは、「静と動」を表現する標本アレンジメント。

「難しい…!」 生徒様たちの口から、そんな言葉がこぼれます。 けれど、その表情はどこか晴れやかで、 瞳の奥には、真剣に植物と向き合う「好き」という熱が宿っている。

この難しいハードルを、 ひょいと、楽しみながら超えていこうとする皆さんの姿。 そのエネルギーに、私自身も深く心を動かされる時間となりました。

「標本」という名のキャンバスに命を吹き込む

今月のレッスンでお伝えしたいのは、 植物の時を止める「標本」という形式美の中に、 いかにして、今にも動き出しそうな生命の呼吸を吹き込むかということ。

今回は、お花の技術だけにとどまらず、 あらゆる表現の土台となる「デザインの基本」を紐解いていきました。

1. 「静」を司る、秩序の美学

標本風のデザインにおいて、 何よりも大切なのは「基準線」です。

まずは、水平と垂直を徹底的に意識すること。 器の縁やフレームのラインに対して、 茎をまっすぐに、あるいは潔く横に。

そして、花材同士の「余白の幅」を均等に揃えていきます。

「余白を整える」ということは、 そこに流れる空気を整える、ということ。

この秩序(静)がしっかりとしているからこそ、 その後に加える一輪の動きが、劇的な美しさを放つのです。

2. 花材の「個」と「全」を対話させる

一種類ごとの花材が持つ、 一番美しい表情はどこにあるのか。 それを見極め、グループごとにまとめていきます。

同じ方向を向かせる「静」の配置と、 あえて視線を外す「動」の配置。

個々の素材を理解し、 それらを全体のバランスの中でどう共鳴させるか。

「密」な場所と「疎」な場所。 あえて空間を作ることで、作品の中に心地よいリズムが生まれます。

3. 最後の一手、心の「あそび」

基本のルールが整ったら、 最後は自由な感性の出番です。

フレームの角に、小さな花材をちょこんとのせてみる。 吊るした紐の部分に、今ハラっと落ちてきたかのように、 さりげなく一輪を添える。

決められた枠をほんの少しだけ超える「あそび」が、 作品にふっと物語を宿らせます。

お手本のように、端正に作り上げてもいい。 あるいは、自分の直感を信じて、 ガラリとオリジナルな配置に挑戦してもいい。

アレンジの可能性は、 ルールという「地図」を知ることで、むしろ無限に広がっていくのです。

おわりに:デザインは、日常のすべてに通じている

今回お伝えした「水平垂直」や「余白のバランス」は、 実はお花の世界だけのものではありません。

  • ショップのディスプレイを考えるとき
  • 大切な方へ送るお手紙のレイアウト
  • Instagramの写真を一枚撮るとき

この基本を知っておくだけで、 あなたの周りの景色はもっと洗練され、 自信を持って「美しい」を選び取れるようになります。

まずは基本を大切に。 そして、いつかはそこから自由にはみ出して。

あなたの感性を磨く「静と動」の教えが、 これからの創作活動のひとつの軸となれば幸いです。

MOGZURA’s Note 技術を学ぶことは、自由になるための準備。 ルールを知っているからこそ、崩したときの色気が生まれます。

大人のドライフラワー・ライフ、一緒に深めていきましょう。